『明暗』『宇治拾遺物語』『ガルガンチュア』ほか-2015年12月に読んだ本まとめ
はじめに
2015年12月に読んだ28冊です。2015年のランキングを記事にしただけで満足し、12月に読んだ全冊のまとめを忘れるところでした。
夏目漱石の長編のなかで唯一未読だった『明暗』がベストです。
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以下では今月読んだ本を「文学(海外)」「文学(国内)」「理系っぽい本」「エッセイ・その他」の4つに分類しました。
各本について、タイトル・リンク・読書メーターに書いた感想(一部追加・修正あり・非ですます調)の順に記します。気に入った文の引用も。↓↓↓
12月に読んだ本(タイトル一覧)
■回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)
■ヘルマンとドロテーア (岩波文庫)
■バッハの音符たち―池辺晋一郎の「新バッハ考」
■文鳥・夢十夜 (新潮文庫)
■タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)
■旅をする木 (文春文庫)
■明暗 (新潮文庫)
■これはペンです (新潮文庫)
■出家物語
■羊男のクリスマス (講談社文庫)
■トオマス・マン短篇集 (岩波文庫 赤 433-4)
■サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3
■漱石とグールド―8人の「草枕」協奏曲
■日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)
■量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
■ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)
■クリスマス・キャロル (新潮文庫)
■百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
■カンディード (光文社古典新訳文庫)
■霓博士の廃頽
■歌行燈・高野聖 (新潮文庫)
■葉桜と魔笛
■誕生日の子どもたち (文春文庫)
■中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (岩波文庫)
■死の家の記録 (新潮文庫)
■人間・この劇的なるもの (新潮文庫)
■サロメ (岩波文庫)
■黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
以下詳細↓
文学(海外)
■ヘルマンとドロテーア (岩波文庫)
- 作者: ゲーテ,Johann Wolfgang Goethe,佐藤通次
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1981/06/16
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「動揺の時代に己が心までもぐらつかせる者は、自分の禍を増すのみか、世間に禍を拡げてゆく。それにひきかえ、志を堅固に保つ者は、世界をわが用に造るのだ」
■タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/02/25
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「おまけにこの哀れな生物たちは、存在するものすべてなんらかの目的を持たねばならず、またある種の目的はほかの目的よりもっと高尚だという観念にとりつかれていた」
「人生の目的は、どこのだれがそれを操っているにしろ、手近にいて愛されるのを待っているだれかを愛することだ」
コンスタントが使った偽名「ジョーナ」は旧約聖書「ヨナ書」のヨナのことだ、と訳注に書いていた。読み終えてからWikipediaでヨナ書の項をのぞいてみたところ、コンスタントの境涯に微妙に似ているような…?〈くじら号〉という宇宙船も出てくるし(結局それに乗ったのか忘れたけど)。
■トオマス・マン短篇集 (岩波文庫 赤 433-4)
- 作者: トーマス・マン,実吉捷郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/03/16
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「どうとでも君の思い通りに存在し、思い通りに生活するがいい。ただし必ず大胆な自信を示して、やましい良心なんぞ見せぬことだ。そうすれば誰だって、君を軽蔑するほど道義的ではないだろう。ところが、君自身との一致を欠いて、自己満足を失うような目に逢って見給え。君が君自身を軽蔑していることを表わして見給え。そうなると、世間は盲滅法に君をもっともだとしてしまうだろう。 (『道化者』)」
「単純に衝動的に潑刺たる人々、つまり、精神と芸術とによる浄化も、言語による解脱も知らぬ啞の人生 ーー に寄せている僕の憧憬は、まず第一に迷誤なのではなかろうか。ああ、僕等安息もなく悩んでいる意志によって造られた者たちは、残らず同胞なのだ。そのくせ、僕等はお互いにお互いがわからない。なにかもっと別の愛が必要だ。なにかもっと別のが。 ー (『飢えた人々』) 」
■ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)
ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)
- 作者: フランソワラブレー,Francois Rabeleis,宮下志朗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/01
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■クリスマス・キャロル (新潮文庫)
- 作者: ディケンズ,村岡花子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/12/02
- メディア: 文庫
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■カンディード (光文社古典新訳文庫)
- 作者: ヴォルテール,斉藤悦則
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/10/08
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ところで、ドストエフスキーは「生涯にわたるプラン」というメモに「ロシアのカンディードを書くこと」と記していたらしい。『カラマーゾフの兄弟』ではコーリャ少年が『カンディード』を読んだと言っているし、アリョーシャは自信無さげに「ヴォルテールは神を信じていたんじゃないかな。ただ、その信仰は浅かったようですがね、それで、人類を愛することも浅かったように思えるんだけど」と答えている。また、イワンは「もし神がいないとすれば、それを考え出す必要がある」というヴォルテールの言葉を引用している。
『謎解き『カラマーゾフの兄弟』』(江川卓)によると、ドストエフスキーは『カンディード』をその本質において捉え、最善説に対する痛烈な反駁と皮肉をイワンの口を通して行ったそうだ(イワンは幼児虐待を例に挙げ、そんな「調和」なら入場券を返上すると言っている)。さらに批判だけにはとどまらず、ユートピアの積極的な絵図としてゾシマ長老の談話を提示したとのこと。
■誕生日の子どもたち (文春文庫)
- 作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/06/10
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- 作者: ドストエフスキー,工藤精一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973/08/01
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「何かの目的がなく、そしてその目的を目ざす意欲がなくては、人間は生きていられるものではない。目的と希望を失えば、人間はさびしさのあまりけだものと化してしまうことが珍しくない……わたしたち囚人全体の目的は自由であった、監獄から解放されることであった」
「この孤独がなかったら、自分に対するこの裁きも、過去の生活のこのきびしい反省も、ありえなかったことであろう。そしてそのころわたしの心はどれほどの希望にみちみちていたことか!」
- 作者: ワイルド,Wilde,福田恒存
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/05/16
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文学(国内)
■回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/15
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- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/09
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「もし空谷子が初対面の人で、初対面の最先からこんな話をしかけたら、自分は空谷子を以て、或は脳の組織に異状のある論客と認めたかも知れない」
「よくあの字が活版に変形する資格があると思う」
……ナチュラルにひどいこと言うから笑える。
「仰向に寝た余は、天井を見詰めながら、世の人は皆自分より親切なものだと思った。住み悪いとのみ観じた世界に忽ち暖かな風が吹いた」
「余は黙ってこの空を見詰めるのを日課の様にした。何事もない、また何物もないこの大空は、その静かな影を傾むけて悉く余の心に映じた。そうして余の心に何事もなかった、又何物もなかった。透明な二つのものがぴたりと合った。合って自分に残るのは、縹渺とでも形容して可い気分であった」
■明暗 (新潮文庫)
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/01
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なお、「注解」が先の展開をやたらと教えてくるので注意されたし。
「露西亜の小説、ことにドストエヴスキの小説を読んだものは必ず知ってる筈だ。如何に人間が下賤であろうとも、又如何に無教育であろうとも、時としてその人の口から、涙がこぼれる程有難い、そうして少しも取り繕わない、至純至精の感情が、泉のように流れ出して来る事を誰でも知ってる筈だ。君はあれを虚偽と思うか」
「だからやっぱり君に対してサンクスだ」
■これはペンです (新潮文庫)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/02/28
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「一番最初の計算機が、エミュレートを行い続けた果ての果て、自分の中に構築された計算の枝の末端の計算機たちにより、並列的にエミュレートされているような状態」みたいな話は好きだ。
■出家物語
- 作者: 坂口安吾
- 発売日: 2012/10/04
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「野郎ボンヤリしやがって、たゞもうむやみにボリゃ、もうかるんだからね、霞ヶ浦のワカサギだって、こんなに釣れやしないわヨ。カミサン子供の焼死なんざ、ボロもうけの夢心持のマンナカにはさまったサンドイッチみたいなものさ」
「ビヤダル型のオジサンはめったに怒らぬものであるが、いざ怒ると、汗が流れて、湯気が立つ、ユデタコのようにいきりたって壮観である 」
文章に勢いがある。
■羊男のクリスマス (講談社文庫)
- 作者: 村上春樹,佐々木マキ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/11/08
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■霓博士の廃頽
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「実に怪しげな奴ぢやアよ! 憎むべき存在ぢやわい、坂口アンゴウといふ奴は! 万端思ひ合はせるところ、かの地底を彷徨ふ蒼白き妖精、小妖精の化身であらうか。はてさて悩ましき化け物ぢやアよ!」
「突然ブルン!と空気が破けて頭の上へ卓子が飛んできた!右から椅子が落ちてきた!左から靴だ!本だ!バケツだ!電燈が微塵にわれた!黒板が――僕としては幸福なめぐりあわせであつたのだが黒板は幾らか重すぎるために、博士は遂ひに自ら黒板の下敷きとなり泡を激しく吹き乍らジタバタして、「タ、助けないと、アンゴウは、ラ、ラ、ラ、落々々々……ぢやアよ!」と唸つてゐるドサクサに僕は窓を蹴破つて一目散に逃げ延びるのであつた 。 ――およそ此の如き有様が毎日の習慣であつたのだ」
- 作者: 泉鏡花
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1950/08/15
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■葉桜と魔笛
- 作者: 太宰治
- 発売日: 2012/09/13
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■日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)
日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)
- 作者: 伊藤比呂美,福永武彦,町田康
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/09/11
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「その、あまりのおもしろさ、味わい深さに、初めのうちは呆気にとられていた鬼であったが、次第にお爺さんの没我入神の芸に引き込まれ、踊りまくったお爺さんがフィニッシュのポーズを決めて一礼したとき、全員が立ち上がって手を拍ち、ブラボウを叫んだ。 (『奇怪な鬼に瘤を除去される』)」
こちら↓に一つ公開されています。
河出書房新社 — 町田康訳「奇怪な鬼に瘤を除去される」(『宇治拾遺物語』より)
■百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
- 作者: 谷 知子
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2010/11/25
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和歌で何らかの心情を伝えようにも、五七五七七という制約のもとではいちいち小説のように説明する訳にもいかないので、人々が共有する自然・景物への豊富なイメージに仮託するという手法が有効となってくる。それを実現するのが掛詞と序詞であり、構造的に言って、自然と心情を直列に(縦に)並べるのが序詞、並列に(横に)並べるのが掛詞であるということができる。これらを駆使することによって、自然の景物と人間の心情という二重の文脈を帯びた歌を構成することができる。
『レトリック感覚』の著者である佐藤信夫は、Xを「Yのよう」という直喩で表現したときに、逆にXからYのイメージを作る(!)という言語行為の存在を指摘している。例えば、轡虫の声を知らない人が「轡虫の鳴くような調子でこういうのは…」という文章から逆に轡虫の声をイメージするといった具合に。…和歌においてもたぶん似たような双方向性が言えて、人間の心情という概念的なものを自然の景物によって視覚化するだけでなく、逆に自然の景物の方にも心情的な意味を付与することになるのである(例: 有明の月)。
したがって幾つかの和歌を覚えておくことで我々は「意味を与えられた自然」を味わえるようになるのだし、このような自然の意味付けの総体は、自然の文化的な取り込みとでもいうべきものになるのではないだろうか?
理系っぽい本
■量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: ジョージ・ジョンソン,George Johnson,水谷淳
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/12/09
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■黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: マリオ・リヴィオ,Mario Livio,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/01/05
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「さまざまな美術作品や楽曲や詩のなかに(本物や偽物の)黄金比を見つけ出そうとするのは、結局、理想の美の規範が存在し、それは実際の作品によって説明できるという思いこみがあるからだ。しかし歴史は、不朽の価値をもつ作品を生み出した芸術家が、そうした形式的なルールから脱却した人でもあることを明らかにしている。黄金比が数学、科学、自然現象といった多くの領域で重要な存在だとしても、私としては、人間の形に対しても、芸術の試金石としても、それを美観の絶対的基準とするのはやめるべきだと思うのである」
エッセイ・その他
■バッハの音符たち―池辺晋一郎の「新バッハ考」
- 作者: 池辺晋一郎
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2000/12/01
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■旅をする木 (文春文庫)
- 作者: 星野道夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/03
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「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いて見せるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって……その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」
■サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3
- 作者: 村上春樹,大橋歩
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2012/07/09
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- 作者: 横田庄一郎
- 出版社/メーカー: 朔北社
- 発売日: 1999/09
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- 作者: 中谷宇吉郎,渡辺興亜
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/12/13
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「二万フィートの深海の底、永遠の暗黒の世界の中で、千年間かかって、厚さ一ミリの泥がつもっていく。そういう姿をえがくことも、科学の一つの面である」
「実験がすっかり終ったら、この氷は要らなくなる。そしたら、この鎌倉時代の氷で、カクテルをつくって、悪友諸兄に御馳走しようかと思っている」
■人間・この劇的なるもの (新潮文庫)
- 作者: 福田恆存
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1960/08/22
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「私たちが真に求めているものは自由ではない。私たちが欲するのは、事が起るべくして起っているということだ。そして、そのなかに登場して一定の役割をつとめ、なさねばならぬことをしているという実感だ。(中略)生きがいとは、必然性のうちに生きているという実感から生じる。その必然性を味わうこと、それが生きがいだ」
「未知の暗黒にとりかこまれていればこそ、自我は枠をもち、確立しうるのだ。その枠のないところでは、自我は茫漠として解体する。私のいう演戯とは、絶対的なものに迫って、自我の枠を見いだすことだ。自我に行きつくための運動の振幅が演戯を形成する。なんとかして絶対的なものを見いだそうとすること、それが演戯なのだ」
「個人は、全体を、それが自己を滅ぼすものであるがゆえに認めなければならない。それが劇というものだ。そして、それが人間の生きかたなのである。人間はつねにそういうふうに生きてきたし、今後もそういうふうに生きつづけるであろう」
おわりに
今月の個人的ランキングは、
といったところです。
先月分はこちら↓
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2015年のまとめはこちら↓
roomba.hatenablog.com
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