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roombaの日記

読書・非線形科学・プログラミング・アート・etc...

2015年3月に読んだ本まとめ

読書

はじめに

久しぶりの更新になりました。
書きたいことは沢山あるのですが、春の陽気にホンワカパッパされた頭でろくでもないことばかり考えていたので更新が止まっていました。ろくでもないこととは、「あるみかんのうえにあるみかんのうえに…(n個続く)…あるみかん」という文章から解釈し得るアルミ缶と蜜柑の配置の総数(nに依存)とか、人工衛星からシダの芽みたいに太陽光パネルが出てきたら笑えるなーとか、そういうことです。

そんな中でも本だけは結構読んでいたので、3月に読んだ本を先月に引き続き紹介してみます。今月は時間があったので多め(23冊)です。

小説

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り』:
はじめてのカズオ・イシグロ。翻訳された文章は苦手なことが多いけれど、これはまったく違和感がない。人生について考えさせられる本。

坂口安吾 [ちくま日本文学009]

坂口安吾 [ちくま日本文学009]

坂口安吾』:
個人的にもっとも好きな作家の一人、坂口安吾の作品集。とにかく文章が最高。『桜の森の満開の下』が大好き。『勉強記』とかも面白い。青空文庫でも読めるので、ぜひ。

魔の山 (上巻) (新潮文庫)

魔の山 (上巻) (新潮文庫)

魔の山』:
このブログでは夏目漱石の『草枕』を何度も引用しているけれど、ピアニストのグレン・グールドはその『草枕』や『魔の山』を愛読していたとのこと。そんなグールドつながりで読んでみた。
ゆったりと時間が進むなかでときどき圧倒的に濃密な文章が展開され、それらの文章がストーリー抜きにしてもなお魅力的である点に関して『草枕』に似ている。『草枕』同様、コピペしておいて何度も読み返したくなるような名文の宝庫。 時間に関する話・見解の”試験採用”・生命に関する話・上巻最後の会話などが印象に残った。
下巻は少しずつ読んでいるけれど他の本に浮気をしてなかなか進まない。岩波文庫版の方が教養ありげな見た目だけれど、新潮文庫版の和訳の方が読みやすそうに感じた。

行人 (岩波文庫)

行人 (岩波文庫)

『行人』:
すごい。特に最後の方。他者の心は分かりようがないし宗教を信じることもできないという一郎の絶対的孤独は他人事ではない。漱石の小説の中ではあまり有名ではないかもしれないけれど、他の名作にもまったく劣らない作品。

深い河 (講談社文庫)

深い河 (講談社文庫)

『深い河』:
かなり好きな小説なので再読。遠藤周作といえばキリスト教だけど、この小説ではヒンドゥー教や仏教も登場し、押し付けがましさは無い。深い河は、様々な人生の悲しみを全て受け入れて静かに流れる…。「信じられるのは、それぞれの人が、それぞれの辛さを背負って、深い河で祈っているこの光景です」。

アート系

先月に引き続き何冊か読みました。

フェルメール 静けさの謎を解く (集英社新書)

フェルメール 静けさの謎を解く (集英社新書)

フェルメール 静けさの謎を解く』:
様々な観点からフェルメールの静けさに迫っている本。光の描写が上手な写実的絵画と思っていたけれど、実はフェルメールは独自の絵画芸術を志向していた…。そういえば、東京では今ルーヴル美術館展があってフェルメールの作品も来ていますね。

西洋美術史入門・実践編 (ちくまプリマー新書)

西洋美術史入門・実践編 (ちくまプリマー新書)

西洋美術史入門・実践編』:
〈実践編〉でない方の前著も大変わかりやすかったけれど、こちらも相変わらず理解しやすい。分かりやすいとはいっても、安っぽいわけではない。単に絵をいくつか提示して解説するだけではなく、ちゃんとした説明の文脈のもとで様々な作品が紹介されている。絵巻の立体感が少なく見えるのは日本における絵巻の鑑賞方法の文化と関係している、という話が興味深かった。

[新装版] 印象派の水辺

[新装版] 印象派の水辺

印象派で「近代」を読む』・『印象派の水辺』:
こちら↓の記事で紹介した本。roomba.hatenablog.com

植物

春が来たため、自分の中で植物がアツいです。
3月末になって2冊読みましたが、いずれも面白い! 植物関連であと何冊か読むことになりそうです。

カラー新書 日本の樹木 (ちくま新書)

カラー新書 日本の樹木 (ちくま新書)

『カラー新書 日本の樹木』:
樹木を「寿命の戦略」によって3つに分類し、それぞれに属する樹木をカラー写真とともに解説。誰かに話したくなる知識の宝庫で、ふせんを沢山使った。ヒマラヤスギはマツの仲間・なぜ人工林に間引きが必要か・「代々木」の由来・成長の遅い常緑樹の戦略と木質・樹木が凍らない理由・ドングリの渋さの理由・クスノキとカンフル・常緑樹を噛んでみよう・エンボリズムと寒冷地の針葉樹・偉くなったブナ・捕食者飽食仮説・浅い根と窒素とタンパク質・ケヤキの木目と道管・なぜ紅葉するのか・幼年期と繁殖・水の吸い上げ方などなど…

雑草のはなし―見つけ方、たのしみ方 (中公新書)

雑草のはなし―見つけ方、たのしみ方 (中公新書)

雑草のはなし』:
花見ついでに、外で実際の雑草を見ながら読了。見覚えのある雑草にもたくさん発見があって楽しい。タンポポ(たぶん在来種)・カラスノエンドウオオイヌノフグリナズナハコベホトケノザヒメオドリコソウなどなど沢山見つかり、草地が「見える」ようになったと言っても良いかもしれない。雑草でこんなにわくわく出来たのは15年ぶりぐらいかも。季節ごとにパラパラとめくってみよう。

追記
上の本を読んで雑草を観察したことがきっかけで、以下の記事を書きました。

roomba.hatenablog.com

村上春樹

2月から突然、エッセイを中心に村上春樹の本を読み始めました。roomba.hatenablog.com
エッセイは疲れた頭でも読めるので、いつの間にか何冊も読んでいました。

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)

『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』:
村上春樹を含む3人が、微妙なスポットを訪れていちゃもんをつけたりするゆるい本。

村上ラヂオ (新潮文庫)

村上ラヂオ (新潮文庫)

『村上ラヂオ』:
軽めのエッセイ集。読んで役立つわけではないけれど、なんとなく楽しい気分になる。

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』:
ウィスキーの本場を訪れた旅行記。影響されてウィスキーを買ってしまった。

遠い太鼓 (講談社文庫)

遠い太鼓 (講談社文庫)

『遠い太鼓』:
ヨーロッパの数か国を長い間転々と旅行していたときの旅行記。必ずしも旅行先を絶賛ばかりしているわけではなく、天候やトラブルや人間に「やれやれ」となっていることが多いのだけれど、むしろそれによって旅行の醍醐味のようなものが伝わってくる。タイトルの「遠い太鼓」は、芭蕉の「そぞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず」のようなものか。

『村上ラヂオ2: おおきなかぶ、むずかしいアボカド』:
『村上ラヂオ』の続編的なもの。今昔物語のかぶの話は衝撃的。

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け』:
これだけエッセイではなく小説。ただの「軽快なタッチの青春小説」ではなさそう。表面的なストーリーの奥に何かが書かれていると思うのだけれど、まだまだ咀嚼しきれていないので、いずれじっくり読み解いていく必要がありそう。

村上朝日堂 (新潮文庫)

村上朝日堂 (新潮文庫)

『村上朝日堂』:
かなり昔のエッセイ。春の陽気に頭をやられつつも活字を読まないと落ち着かない…という状況にぴったりの一冊。

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

『走ることについて語るときに僕の語ること』:
村上春樹はランニングをずっと続けているらしく、それについて書いたエッセイというか、エッセイよりは真面目寄りの何か。ちょうど最近「人生の資本は結局のところ丈夫な身体なのかなー」と思っていたこともあり、ランニングを始めることにしました。

その他

すらすら読める方丈記 (講談社文庫)

すらすら読める方丈記 (講談社文庫)

『すらすら読める方丈記』:
総ルビ付きなのはよい。古典は久しぶりに読んだけど、現代語訳や解説が豊富で、本当にすらすら読めた。

グレン・グールドは語る (ちくま学芸文庫)

グレン・グールドは語る (ちくま学芸文庫)

グレン・グールドは語る』:
上の『魔の山』のところで触れたピアニストのグレン・グールドへのインタビュー集的なもの。あまり音楽は聴かない方だけれど、グールドの弾く「ゴルトベルク変奏曲」は繰り返し聞いている大好きな曲で、本書もその関係で読んでた。クラシックに関して無知なので分からないところが多かった…。

からだのメソッド―立居振舞いの技術 (ちくま文庫)

からだのメソッド―立居振舞いの技術 (ちくま文庫)

『からだのメソッドー立居振舞いの技術』:
姿勢や歩き方について意識すべきこと。姿勢を気にするようになった。

宇宙と星 (岩波新書 青版 247)

宇宙と星 (岩波新書 青版 247)

『宇宙と星』:
古い本なので現状の知識と異なる点(宇宙の年齢とか)もあるけど、なかなか悪くない本。人間が宇宙の歴史を知ろうとすることを「火星人の地球見物」に例えた説明が良い。

おわりに

植物がマイブームです。実際に雑草を観察していておもしろいことに気がついたので、こんど書いてみます。

2月に読んだ本はこちら↓roomba.hatenablog.com