ドローンが作れないので輪ゴムでヘリコプターを作る
はじめに
デイリーポータルZの記事で、最近はやりのドローンを自作しようと試みていました。なんだか楽しそうです。portal.nifty.com
これに触発されてドローンをつくりたいなと思ったのですが、お金もかかるし飛ばせる気もしないので、少々(かなり)妥協することにしました。輪ゴムヘリコプターです。
輪ゴムヘリコプターとは、文字通り輪ゴムの力で飛ぶ小さなヘリコプターです。
小さいころに下のような飛行機を作った*1ことがあったのですが、それと同じ方法でプロペラを回します。
袋入りライトプレーン A級ペガサス (中級者向) LP-04
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- メディア: おもちゃ&ホビー
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完成形
こんな感じです。上のプロペラをグルグル回しておいて手を放すと、巻かれた輪ゴムがもとに戻る力で飛んでいきます。
材料・道具
必要な道具
- 接着剤(瞬間接着剤がおすすめ)
- 定規
- カッターナイフ
- (あれば)ラジオペンチ
作り方
1. 胴体
2mm厚のバルサ材の板を、カッターナイフで以下のように切り取ります。寸法は適宜アレンジするといいと思います。
この部品の先端に、抵抗の針金部分をブスッと差し込んで穴をあけます(下図)。横からはみ出さないよう、うまく貫通させましょう。
この抵抗がプロペラの軸になるという訳です。普通は針金で軸を作り、プロペラと胴体の間に摩擦軽減のためのビーズを入れるのですが、ビーズを買いに行くのは面倒だし、抵抗ならたくさん余っているということで抵抗で妥協します(下図)。抵抗もまさかこんな変態的な使い方をされるとは思っていなかったでしょう。
言うまでもなく、何Ωでも大丈夫です。
抵抗は持っていないけどビーズを用意できるという場合、ゼムクリップ等を上図の針金として使い、素直にビーズを用いましょう。抵抗を使うとビーズよりも摩擦抵抗が大きくなります。抵抗だけに。
2. プロペラ
次はプロペラを作っていきます。
まずはプロペラの根元です。胴体と同じバルサ板を以下のように切り取り、中心には先ほどの抵抗でブスッと穴をあけておきます。写真のように1㎝刻みで線を引いておくと羽を貼るときの目印になります。
次に、この部品に先ほどの抵抗を突き刺します。突き刺したら、下図左のように抵抗の針金部を折り曲げ、下図右のようにして抵抗と板を固定してしまいましょう。瞬間接着剤も流し込んでおきます。
これを胴体に差すと以下のようになります。
次に、プロペラの羽をつくります。以下の寸法に厚紙(ここではティッシュ空き箱の紙)を2つ切り取ります。ちょっと大きすぎた気もするので、もう少し小さくてもいいかもしれません。
切り取ったら、以下の赤線を少し(10度ぐらい)谷折りに、青線を少し(30度ぐらい)山折にします。これによって、揚力が生じるような翼の形・向きになります。
この羽×2を、すでに作ったプロペラの根元に接着します。すると以下のようになります。
他の角度から
プロペラに軸に輪ゴムを引っ掛けられるよう、下図のように抵抗の先端を曲げてやります。ラジオペンチを使うと便利です。
これでプロペラができました!
あとは、プロペラの反対側にも輪ゴムを引っ掛けられるよう、胴体のプロペラ反対端から1cmぐらいのところに以下のような形の針金(ゼムクリップや、抵抗の余分な針金部)を差し込んで接着しておきます。
もう1つのプロペラ
ここまでで以下のようなものが出来上がりました。
これで輪ゴムを引っ掛けてやれば飛ぶんじゃね?というのは間違いです。このままではプロペラの回転の反作用によって胴体がぐるぐる回ってしまいます。実際のヘリコプターではテールローターなるものによってその反作用を打ち消しているのですが、テールローターを作るのは難しいので、ここでは胴体下部にも逆向きのプロペラを取り付けます。「胴体が逆回りするなら胴体にも逆向きのプロペラを取り付ければいいじゃない」という発想ですね。
というわけで、プロペラと同じ紙で以下の部品を作ります。
先ほどと同じ要領で赤線と青線を折り曲げたのち、以下のように接着剤で胴体と取り付けます。
小さな紙切れを90度に折ったものを図のように貼り付けて強度を確保してみました。
あとは、プロペラの軸に輪ゴム(普通のでOK)を引っ掛けてやれば完成です!
飛ばし方
調整
上記の通りに作ると、
- 上のプロペラは上から見て反時計回りのときに揚力を生じる
- 下のプロペラは上から見て時計回りのときに揚力を生じる
というふうになっています(下図)。
このことを理解したうえで、プロペラの翼がいい感じの向きになるよう調整しましょう(下図)。
また、プロペラの軸は結構曲がりやすいので、軸とプロペラの根元が垂直になるように調整しましょう。
飛ばす
先述の正しい向きにプロペラが回るよう、逆向きにプロペラを回すことで輪ゴムにエネルギーを蓄えます。胴体を持ち、人差し指でプロペラをくるくると回せばよいでしょう。大体200回転ぐらいかな?多すぎると輪ゴムが切れるし、少なすぎると飛びません。
回していくと以下のようにゴムがぼこぼこしてくるので、これを目安にするといいと思います。
十分回したら、いよいよ飛ばすときです。
胴体を持ち、プロペラから手を放して回転し始めたら胴体からもそっと手を放します。きれいなホバリングとはいきませんが、それなりに(一般家庭の室内で十分なぐらいに)上昇して飛んでいくと思います。
飛ばなかったら
- プロペラはちゃんとぶれずに回っているか?
→ 軸と直角になるよう調整します。
- プロペラを回すと風を感じるか?
→ 感じなかったらプロペラの翼の向きを調整します。あるいは、軸を通すためのバルサ材の穴がきつきつになって抵抗が大きいせいかもしれません。
- もっとゴムを巻いてみる
アレンジ
子供のころに胴体を割り箸で作ってもうまくいったので、バルサ材が無くても頑張ればなんとかなります。割り箸の場合、重量が増加してしまう一方でゴムを沢山まわしても大丈夫な強度になります。
あと、前述のように抵抗がなくてもビーズ+針金でOKです。というかそっちの方がいいです。
数年前はもう少しプロペラを小さく作っていて、そちらの方が良く飛んだ気もするので、プロペラの寸法はもっと小さめでいい気もします。
終わりに
楽しいのでぜひ作ってみるといいと思います。何事も材料が揃わないから作れない、というのは大人の悪い考え方ですので、身近な材料を活用する方法を考えましょう(自戒)。
あとは、飛ばなくても冒頭の記事のように改良を重ねていくことって大事ですよね。難しいことを考え過ぎて何もしないよりは、デイリーポータルZのように・ヘボコン*2
のように、とりあえず手を動かしてみるべきだな、と思ったのでした。おわり。
*1:竹ひごをロウソクで炙って曲げたり、雁皮紙を翼にはったりするやつ。懐かしいなあ。