調味料とエントロピー
今週のお題「調味料」
調味料や食材の組み合わせによって料理には事実上無限のバリエーションが存在しますが、エントロピー(情報量)といった観点からそれらを分類できないか?と考えました。
ただの塩水とスパイスたっぷりのカレーでは味の情報量がぜんぜん違いますよね。
「通(つう)は塩で食べる」というのは「通はエントロピーの小さいものを好む」ということかもしれませんし、カレーの隠し味としてチョコレートを放り込んでも大丈夫なのはカレーのエントロピーがもともと十分大きいからではないかと思ってしまいます。
Wikipediaによれば、情報量・エントロピーとは出来事の起こりにくさの尺度です。
情報量(じょうほうりょう、エントロピーとも)は、情報理論の概念で、あるできごと(事象)が起きた際、それがどれほど起こりにくいかを表す尺度である。
「味」の感じ方というのは、嗅覚の影響を受けたり舌の「味覚地図」なるものがあるとかないとかで結構複雑らしいのですが、ここでは
- 味の各受容器に対し、1度に1種類の味が訪れる
とモデル化して考えましょう*1。
その際の平均情報量H(P)は、ある味Aが得られる確率をP(A)として以下のように定義されます。
ここで味が1つしかなければP(A)=1なので情報量はゼロになってしまいます。
一方、カレー粉のようにクミン、コリアンダー、クローブ、シナモン、カルダモン、ナツメグ、ターメリック、サフラン、パプリカ、カイエンペッパー、胡椒などなど様々なスパイスが含まれれば平均情報量は大きくなります。
さらに言うと、同じ調味料・スパイス*2から構成されている場合、それらの分量が均等に分散されているほど平均情報量は大きくなります(証明はしませんが…)。
調味料・スパイスが多彩で情報量が大きい(と思われる)料理の代表といえばカレーですから、エントロピー増大の法則を強引に解釈すると
すべての料理はカレーになる
と言えるかもしれませんね(暴論)。